ペット依存症 増えつつある悲しい共依存

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共依存とは、お互いに依存しあう関係のことです。ペットが飼い主に依存するのは当然でしょう。野生生活をしているわけではないので、食事や排泄の世話を飼い主にしてもらわなければいけません。では飼い主は、ペットにどう依存しているというのでしょうか。

ペットブームといわれるようになって数年が経ちましたが、今新たな問題となっているのが、ペットを人間のように扱い、精神的に依存してしまうペット依存症です。ペットとだけ親密な関係をつくり、自分たちの世界に閉じこもってしまいます。

幸せだったらそれでいいじゃないかと思われますか?でもこの幸せは、永遠に続くものではありません。ペットとなる動物の命は短く、悲しい別れはいずれやってきます。そうなったとき、依存していた飼い主の悲しみはとても深く、人格障害になってしまうこともあるのです。

ペット依存症になるのは、20代から30代の女性が多いといいます。依存ではなく、理想的な共存関係をペットと築くにはどうしたらいいのか、考えていきましょう。

ペット依存症になりやすいタイプ

依存症になりやすい人には、共通したところがあります。まじめな性格だけれど、自己評価が低い。ストレスをためこみやすく、1つのことに執着しやすい。思い当たることはありませんか?

執着するものが、アルコールだったりギャンブルだったりすると、周囲の人間を巻き込んでのトラブルとなります。お酒を飲んで暴れたり、借金取りのヤミ金業者がやってきたりしたら、周囲の人間も依存症をなんとか治そうと躍起になるでしょう。けれどペット依存症は、傍から見ていたら、ただペットを可愛がる人にしか見えないのです。

ペット依存症の人は、人間関係を上手にやっていくのが苦手です。元来優しい性格なので、人を傷つけることなどしたくありません。それと同時に、自分も傷つけられるのが怖いのです。そのせいで人間関係は、あっさりしたものになります。いい人だけれど、印象は薄い、そんなタイプです。

ペット依存症の実態

  1. ペットの名前に『ちゃん』や『くん』をつけて呼ぶ。
  2. ペットの健康を第一に考えて、高価なフードを買っている。
  3. 健康に気をつけているつもりなのに、自分の食べ物を求められれば与えてしまう。
  4. 散歩をするとき、小型犬だとすぐに抱き上げる。他の犬を警戒するのと、犬が疲れるという理由などだが、過保護になっていることに気付かない。
  5. ペットに対して、常に人間相手のように話しかける。他の人がペットを動物扱いすると、この子は特別だと敵意をむき出しにする。
  6. 仕事中離れていると不安になるので、自宅に監視カメラを設置したりする。
  7. 休日でも遊びに出かけず、1日ペットと共に過ごす。
  8. ペットの要求を先回りして考え、徹底的にペットに尽くす。
  9. 時々だが、ペットが死んだときのことを考えると、涙が止まらなくなって泣き続ける。

こんなことなら、普通にペットを可愛がっている人間でもやっている。そう思われるかもしれませんが、良好な関係を保っている飼い主は、すべてがペット優先にはなりません。人間の生活を第一に考えながら、その中でうまく共存しています。

ペット依存症となると、ペット関連以外のことに意欲がなくなるのです。ペットと一緒に行ける場所でなければ、出かける気持ちになれません。ラインで誰かと繋がるより、目の前にいるペットを喜ばせるほうが大切です。ペットは家族であり、恋人であり、親友なのですから、他には誰も必要なく思えてしまうのです。

なぜ依存対象がペットになるのか

犬や猫を飼ったことがあるなら、おわかりになると思います。犬や猫はそこそこ知的な生きものですが、飼い主を外見の美醜や、金持ちかどうかなどで評価はしません。自分のことを可愛がってくれる人、それだけがペットにとっての価値基準なのです。

人間関係がうまくいかず、疲れて帰ってきたあなたを出迎えるのは、あなたしか見ていないペットです。絶対の信頼、絶対の愛情、人間は簡単に裏切ったり嘘をついたりしますが、犬や猫に嘘はありません。あるのはただ、あなたに愛されたいという要求だけです。

では飼い主のあなたの求めているものはなんでしょう。犬や猫に愛されることそれだけですか。実は他にも求めているものがあるのではないでしょうか。

理想の人間関係が欲しい

傷つけたり、嘘をついたりされることのない、平和でしかも密な関係。なんでも話せて、心から信頼できる、そんな付き合いのできる相手がいたら、ぜひ仲良くしたいと思っていませんか?

人間には人と繋がりたいという欲求があります。その欲求を満たすために、サークル活動をしたり、宗教に入ったりするのでしょう。友人と買い物をしたり、家族と旅行する、そのようなものでも十分繋がりを感じ、心は満たされます。

ペット依存症の人はそれがうまくできないから、ペットを擬人化して、理想の関係をペットと演じてしまうのです。自分のことをわかってくれるのはペットだけ、そう思い込んでしまい、ますます人との関係が希薄になっていきます。

自分を認めて欲しい

もう1つ、依存症になりやすい人が抱える問題、自己評価の低さがあります。かなり無理をして、サークルなどの人の輪に入ってみたとします。けれどそこであなたは、他の人がみな輝いてみえてしまい、さらに自信を失ってしまうのです。

どうせ自分なんて、つまらない存在だ。誰にも求められていないと感じたあなたを救うのはペットです。癒やしと愛情を与えてくれるだけでなく、ペットはあなたに自信を与えてくれます。

この子はわたしがいないと駄目なんだ。わたしだけがこの子を幸せにできる。この子のためにも、辛くてもがんばらなくちゃと、前向きになれるのです。自分を認めてもらいたいという気持ちを、仕事や人間関係に求めるのではなく、飼い主しか頼るもののないペットに求めるのが、ペット依存症なのです。

依存されるペットの悲劇

そんなに可愛がられるのなら、ペットもさぞや幸せだろうと思われるでしょうが、実際は逆です。過保護、過干渉で暮らす犬や猫は、動物としては不自然な状態なのですから、心身ともにいいわけがありません。

甘やかされるので、人間の食事を欲しがれば与えられます。その結果肥満の犬や猫になって、腎臓病や糖尿病などになるのです。健康で長生きして欲しい、そう思っているのに、ペット依存症の飼い主だと、欲しそうにしているなら与えずにはいられません。その場でペットを喜ばせることしか、考えていないからです。

ペット依存症の飼い主と暮らすうちに、ペットは分離不安になります。少しでも飼い主と離れると不安になって、問題行動を起こすようになるのです。他の人から見たら問題行動で迷惑させられるのですから、注意しても飼い主は聞き入れません。

飼っているのが猫なら、壁で爪とぎをしたり、トイレ以外の場所にオシッコをするようになります。大きな声で鳴き、落ち着きなく部屋中を暴れ回るので、飾ってある小物などはすべて床に落とされ、壊されるのです。

犬でしたら散歩のとき、他の犬や飼い主さんに吠えかかります。ひどくなると噛みつくこともあるので、危険な犬になってしまいます。犬が攻撃的になるのは、飼い主を守ろうとしているだけなのですが、不審者でもない人に吠えるのは、問題行動としか思えません。

ペットロスの苦しみが待っている

ペットを飼った時点で、誰もが別れのときのことを考えると思います。どんなに長生きしても、15年から20年の生きものなのですから、最初から覚悟は必要でしょう。ペット依存症でなくても、可愛がっていたペットの死で、ペットロス症候群におちいることはあります。

普通の人でも辛いのですから、ペットが亡くなったら、ペット依存症の飼い主はどうなるでしょうか。アルコールや薬物の依存症だと、酒断ち、薬断ちで離脱症状、いわゆる禁断症状が現れます。ペット依存症にそのような離脱症状はありません。代わりに襲ってくるのが、激しい鬱状態です。

自分も死んでしまおう、そうしないとあの子がいつまでも天国に行けない。『虹の橋』で、ずっとわたしを待っているなんて可哀想だ。そう思い詰め、真剣に自殺を考えます。

『虹の橋』というのはよく知られた詩で、亡くなったペットが、飼い主を待っている場所として語られているものです。亡くなった飼い主がそこを訪れ、ペットと再会したら、そのまま天国に行けるというのです。

自殺までしなくても、不眠や摂食障害に悩まされることになるでしょう。わたしの飼い方が悪かったんだと、自分を責め続けることになります。苦しみはかなり長い間、飼い主の心をむしばみ続けるでしょう。

ペット依存症にならない、理想的な共存関係

犬や猫の生態を知っておくべきです。犬や猫は、快適な環境を与えられれば、1日の大半を寝て過ごします。一人で留守番させるのは寂しいと思いがちですが、8時間の留守番のうち、6時間は寝ているのです。休日だからと、1日中ペットをかまうのはやめましょう。寝たいだけ寝かせてあげるのが、本当の愛情です。

犬や猫に人間の食べ物を与えるのは、本当の愛情とはいえません。分け与えるのは、喜んでいる姿が見たいだけの自己満足です。脂肪、塩分、糖分、それらがペットの命を短くしてしまいます。

ペットの精神的な奴隷になるのもやめましょう。犬や猫の知能は、特別高いわけではありません。けれど人の感情を読み取る能力は、かなり優れています。飼い主の媚びた様子を見て、犬や猫は自分が王様なのだと思い始めます。そうなるとどっちが主人か、わからない状態になってしまうのです。

最後に

ペットロスを回避するため、多頭飼いをする人もいます。1匹のペットにのめりこんで、ペット依存症になるよりはいいのかもしれませんが、無責任な飼い方だけはして欲しくないですね。

ペットとだけの生活よりも、人との関わりのある生活をするべきです。飼い主のあなたが生き生きとして日々を楽しんでいれば、それだけでペットも楽しい気持ちになれるのですから。

PS/最近レーシックは全然話題にならなくなりましたね。
私はレーシックを受けて、ペットが良く見えるようになりさらに可愛くなってしまいました・・・
こちらのブログで紹介しています。

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